梅シロップ
Ume Syrup
関東地方では、入梅の雨に当てぬ以前の青梅がよいと言われてきました。
その言葉通り、6月の声を聞く頃になると青梅が出回り始めます。
毎年暑い夏を乗り切るためには欠かせないがこの梅シロップ。甘酸っぱい自家製梅ジュースは、喉カラカラの火照った体に浸透し元気を取り戻してくれます。
作り方はとても簡単。氷砂糖に漬けておくだけです。この季節に梅シロップを仕込んで、夏を爽やかに乗り切りましょう。
青梅について
爽やかな酸味の梅シロップを作るには、青梅を使います。青梅の旬の時期は短く、5月下旬から6月中頃くらい。あっという間に終わってしまいます。見かけた時に手に入れて冷凍しておくと、都合の良いタイミングで作れます。
材料 | INGREDIENTS
梅シロップ 800ml分(容量2ℓ密封瓶 1瓶分)
・青梅 1kg
・氷砂糖 1kg
・酢 100ml
◇ 酢を入れることでシロップの発酵を防ぎます。
1. 竹串で梅のヘタを取ってからよく洗い、ざるに上げて水気を切ります。
◇ 水気が残っている場合は、キッチンペーパーで拭き取ります。
2. 梅を袋に入れ、冷凍庫で一晩凍らせます。
◇ 冷凍することで果汁が出やすくなり、濃厚なシロップに。
◇ 冷凍は一晩以上であれば、数日から1週間ほど凍らせておけます。
3. 保存瓶を煮沸消毒またはアルコール消毒します。凍ったままの梅と氷砂糖を交互に入れていきます。
4. 梅と氷砂糖をすべて入れたら、酢を加えます。
◇ 梅や氷砂糖のサイズにより密閉瓶に入りきらない時は、別の小さな瓶に残りの材料を入れておきます。翌日、梅が柔らかくなり、氷砂糖が少し溶けて隙間ができるので、一緒に合わせれば大丈夫です。
5. 蓋をして、日の当たらない冷暗所に1日置きます。
6. 翌日、氷砂糖が少し溶け、梅からもシロップが出始めています。1日1回、瓶を軽く揺すって、全体にシロップをなじませます。
7. 1週間ほどして、氷砂糖がすべて溶けたら出来上がりです。
◇ 氷砂糖の溶け方や、梅からのエキスの出具合は、気温や梅の個体差によって変わります。
<保存について>
実を入れたまま涼しい場所において保存します。
シロップが少なくなってきて実がシロップに浸らなくなったら、実を取り出します。シロップは小さな瓶に移し、冷蔵庫で保存すれば1年ほど保ちます。
取り出した実はシワシワで硬いですが、ジャムや梅味噌にして美味しくいただけます。
Q & A
Q. 熟した梅でもシロップは作れますか?
A. はい、作れます。黄色く色付いた完熟梅でも、同じように梅シロップは作れます。青梅のシロップは爽やかな酸味に仕上がりますが、熟した梅で作るシロップは甘みが強いです。夏にいただくのであれば、甘酸っぱい青梅シロップがおすすめです。
Q. なぜ氷砂糖を使うのですか?
A. 氷砂糖を使う理由は2つあります。
1つ目は純度。氷砂糖は砂糖の中で最も純度が高く、無色透明ですっきりした甘味なので、果物の香りや風味を損ねないという点。
2つ目はすぐに溶けない点です。果物に砂糖をまぶすと水分が出てきます(浸透圧)。上白糖やグラニュー糖はすぐに溶けてしまいますが、氷砂糖は大きな結晶なのですぐに溶けません。少しずつ溶けていくことで、シロップの濃度が少しずつ濃くなり、果物の表面だけでなく中からじっくりエキスを引き出します。
また、上白糖やグラニュー糖で作ると、砂糖が瓶の底に溜まって固まってしまいます。氷砂糖は果物の間にしっかりと留まりゆっくり溶けるので、シロップ作りに適しています。
Q. どんなお酢が良いですか?
A. 出来上がるシロップの量に対してお酢は少量。どんなお酢でも構いませんが、癖のないものがオススメです。私は米酢かワインビネガーを使うことが多いです。米酢に比べて、ワインビネガーの方が微妙に酢が立たないように思います。リンゴ酢なども合いそうです。
梅シロップの楽しみ方
定番は梅ジュース。梅シロップと水の割合は好みですが、梅シロップ:水=1:2くらいが目安です。炭酸割りや牛乳割りもおすすめ。また、凍らしてソルベにしたり、かき氷のシロップにといろいろ楽しめます。
冬にはお湯で割ったホット梅が体を温めます。
梅ソーダ
梅シロップを炭酸水で割ります。梅シロップ:炭酸水=1:2くらいが目安です。
ミントなどフレッシュハーブや、紫蘇の葉を入れたアレンジも爽やか。
梅ミルク
グラスに梅シロップと氷を入れ、牛乳を注いで混ぜます。すると、みるみるうちに梅の酸で牛乳の乳脂肪が固まり、飲むヨーグルトのようにトロトロに。梅シロップ:炭酸水=1:2〜3くらいが目安です。
水分を取りすぎてお腹がタポタポになりがちな暑い時期に、梅ミルクのトロとした食感と、すっきりした酸味が喉を潤します。
梅のシャーベット
梅シロップと水を1:2の割合で合わせ、ジップ付きの冷凍用保存袋に入れます。バットの上に平らに乗せ、冷凍庫で半日ほど冷やし固めます。薄い氷の状態で固まっているので、袋のまま手で揉んで器に盛り付けます。コアントローやアマレットなどのリキュールを加えて固めれば、食後のデザートに。