ポン酢
Ponzu sauce
秋の香母酢(かぼす)や酢橘(すたち)、冬の柚子に橙。
あたたかな鍋が恋しくなる季節とともに、さまざま柑橘が旬を迎えます。
完熟して果汁をたっぷり蓄えた頃がポン酢を作るのに良いタイミング。自家製のポン酢は搾りたてのフレッシュな味わいと、香りのよさが抜群です。
無農薬ならぜひ皮もすりおろして加えてみてください。少し苦味を感じますが、香りと味に深みが増します。鰹節と昆布を加えるとコクは出ますが、せっかくの旬の柑橘のよさが薄れるような気がして、あえて加えずに作っています。
果汁の美味しさが引き立つ、家庭ならではのあっさりとした味わいのポン酢。柑橘それぞれの酸味によってお醤油の濃さを加減して、自分好みのポン酢を楽しんでください。
pons|ポン
ポン酢の『ポン』はオランダ語で柑橘の果汁を意味する『pons』から付けらたと言われています。もともとは17世紀の長崎・出島のオランダ商館で、果汁に香辛料やアルコールを混ぜた食前酒「パンチ」を指していたようですが、いつしか酢や果汁をベースにした調味料をポン酢と呼ぶようになりました。
かぼすの旬は8月から始まります。黄色く色づいて完熟を迎えるのは10月〜12月頃。かぼすよりもひとまわり小さい、秋の秋刀魚に欠かせないすだちの旬も同じ時期です。
柚子は旬が2回あり、7~8月頃に収穫される青柚子と10~12月頃に収穫される黄柚子。ポン酢には果汁の多い黄柚子がおすすめです。
お正月飾りにも使われる橙は1〜2月に甘い果汁がたっぷり絞れます。
材料 | INGREDIENTS
作りやすい分量
・果汁(かぼす、すだち、柚子、橙など) 100ml
・みりん 80ml
・酒 80ml
・醤油 50ml(薄口醤油 25ml・濃口醤油 25ml)
1. 皮をすりおろしておきます。ワタの部分は苦いので、香りの良い表面の皮のみすりおろします。
◇ 皮を加えると香りと味の深みが増します。少し苦味を感じますので、お好みで適量をどうぞ。苦手な方は皮を加えなくても良いです。
2. 果汁を絞ります
3. 果汁を濾します。
4. 鍋にみりんと酒を入れ、中火にかけます。沸騰したら弱火にして5分ほど煮詰めます。
5. 火を止めて、醤油、果汁、すりおろした皮(好みの量)を加えます。鍋のまま冷ましておきます。
6. 冷めたら清潔な瓶に移し、冷蔵庫で保存します。半年ほど保存できます。
Q & A
Q. 鰹節や昆布を入れる場合は?
A. 鰹節や昆布を加えると、こってりとしてコクのあるポン酢に仕上がります。湯豆腐や白子ポン酢などによく合います。
<こってりポン酢>
材料 | INGREDIENTS
作りやすい分量
・果汁(かぼす、すだち、柚子、橙など) 100ml
・みりん 50ml
・酒 50ml
・醤油 100ml(薄口醤油 50ml・濃口醤油 50ml)
・昆布 5cm角
・鰹節 5g(ふたつまみくらい)
作り方
1. みりん、酒、醤油、昆布を鍋に入れて中火にかけて沸騰させます。
2. 弱火にして鰹節を加え、2分ほど煮ます。
3. 火を止めて果汁を加え、10分ほど置いておきます。
4. キッチンペーバーを敷いたザルで濾して、鰹節と昆布を取り除きます。好みですりおろした皮を加えます。
5. 冷めたら清潔な瓶に移し、冷蔵庫で保存します。