木の芽味噌

kinome miso (miso mixed with leaf bud)
春の訪れを告げているのは桜ばかりではありません。眠っていたかような木々も、少し強くなった陽差しに目を覚まし、一斉に芽吹きを始めます。
山椒の木もまた然り。
3月初旬頃、前の週までは枯れ木のようだった枝から、小さな緑のほころびが見え、数日後には葉が開き『木の芽』の姿に。新芽を摘み、手でパンっと叩くと爽やかな香りが広がります。お料理に添えれば、それだけで春の訪れを感じる一皿に。
木の芽がたくさん手に入った時は、木の芽味噌もおすすめです。
お味噌に砂糖とお酒を合わせ練り上げ、摘みたての木の芽を刻んで加えます。まずは焼きおにぎりにしてみてください。ぱっくと頬張った口の中に爽やかな春の香りが広がります。豆腐や蒟蒻にのせて田楽にしたり、白身魚に塗って焼いても美味。
木の芽味噌は日持ちがするので、春野菜のディップとしても楽しめます。


木の芽について
3〜4月頃、春先に出る山椒の若芽を「木の芽」と呼びます。山椒はミカン科の植物、爽やかでスパイシーな香りから、春や初夏を演出する料理のあしらいや薬味、汁物の吸い口などに昔から使われてきました。原産は日本、「ジャパニーズペッパー」とも呼ばれています。日本らしい香りの一つです。
初夏になり大きく硬くなった葉は乾燥させてすり潰し、粉山椒としても使えます。
鉢植えでも栽培できるので、ぜひ家で育ててみてください。スーパーでは高い価格で売られている木の芽もたくさん使うことができます。摘み立てを添えるだけで、少しだけ贅沢な一皿に。
実を収穫したい方は、苗木を買うときにご注意を。山椒は雌株と雄株があり、実をつけるには雌株と雄株の両方が必要になります。山椒の中でも朝倉山椒は雌雄同株で、一株で実がなります。

材料 | INGREDIENTS
山椒味噌 50gくらい
・木の芽 30枚ほど(お好みで)
・味噌 大さじ3
・三温糖(またはきび糖) 大さじ2
・酒 大さじ2

1. 木の芽をさっと水で洗い、キッチンペーパーで水気を取ってから適当な大きさに刻みます。

2. 小鍋に味噌、三温糖、酒を入れます。

3. 弱火にかけて、混ぜながら練ります。

4. 三温糖が溶けて鍋肌がふつふつとしてきたら、火を止めて刻んでおいた木の芽を加えます。

5. さっと混ぜ合わせます。

6. 鍋のまま冷まします。冷めたら密閉容器に入れて冷蔵庫へ。1ヶ月ほど日持ちします。

Q & A
Q. 味噌の種類は?
A. 日々使っているお味噌でも、ちょっと特別な麹味噌や赤味噌、白味噌でも、どんなお味噌で作れます。
お味噌によって合わせる砂糖の種類や分量を調節して、お好みの木の芽味噌を作ってください。