フィナンシェ
Financier
フランス語で金融家の意味を持つフィナンシェ。型の形は金の延べ棒を模しています。
マドレーヌは全卵と溶かしバターで作るのに対し、フィナンシェは卵白と焦がしバターで作ります。似ているようで、材料も作り方も全く違うお菓子です。
生地を寝かす必要もなく、焼き時間も10分少々とあっという間に出来上がるので、急に友人に会うことになった時はパパッとフィナンシェを作って手土産にします。
美味しいフィナンシェを作るポイントはバターの焦がし加減。焦がしバターをマスターさえすればあとはとても簡単です。焼きたては、表面はサクッと中はもっちり、香ばしいバターの香るフィナンシェをまずは一口どうぞ。
材料 | INGREDIENTS
外寸 約8×4×H1cm フィナンシェ型 10個分
・グラニュー糖 90g
・薄力粉 35g
・アーモンドパウダー 35g
・卵白 80g(常温に戻す)
・無塩バター 80g
型の準備
フィナンシェ型に無塩バター(分量外)を薄く塗り、使うまで冷蔵庫で冷やしておきます。
◇ フィナンシェ型を使い終わった後は、洗わずに、キッチンペーパーなどで拭きます。こうして何度も使い続けることで、型離れのよい型になっていきます。
オーブンを220°Cに予熱しておきます
1. ボウルにグラニュー糖、薄力粉、アーモンドパウダーを合わせてふるい入れます。
2. ホイッパーでざっと混ぜ合わせます。
3. 常温に戻しておいた卵白に指を入れ、冷たい場合は、ごく弱火にボウルを遠火でかざし、絶えず混ぜながら人肌くらいにあたためます。
◇ 卵白が冷たいと生地が締まって、焼き上がりが硬くなる場合があります。卵白をあたためる時は、火に近づけすぎると卵が固まってしまうので、コンロからボウルを離し、絶えず混ぜ続けてください。
4. [2]に卵白を加えます。
5. ホイッパーで粉気がなくなるまで、すり混ぜます。
6. 焦がしバターを作ります。
無塩バターを鍋に入れ、中火にかけます。
◇ 焦がしバターを作る際の鍋はステンレスや琺瑯など、バターの色がよくわかるものを使用します。
◇ 大きめのボウルに水を入れて準備しておきます。焦がしバターができたらすぐに冷やすためです。(工程10参照)
7. バターがとけてきたら、たまに鍋を揺すりながら中火にかけ続けます。
8. 少し色がついてきますが、もう少し。。。
◇ 焦がしすぎそうで、心配な方は弱火にしても大丈夫です。ゆっくり色を見ながら進めます。
9. 泡が小さくなり、コーラくらいの色になったら、焦がしバターの出来上がりです。
POINT.
フィナンシェの美味しさはバターの焦がし加減です。焦がし方が浅いと、油っぽいフィナンシェになってしまいます。しっかりと焦がすことがポイントです。
焦がしバターはフランス語ではブール・ノワゼット(beurre noisette)と言います。ブールはバター、ノワゼットはヘーゼルナッツのことです。ヘーゼルナッツの薄皮の焦げ茶色を意味します。日本ではなかなか目にすることも少ないので、コーラくらいの色を目安にしてください。
10. 鍋の余熱で焦げが進まないように、準備しておいた水に鍋をつけます。
◇ 焦がしバターを冷ましすぎないように注意してください。焼いた時に油分が分離してしまうことがあります。
11. 水に1分ほど浸したら、漉しながら[5]に加えます。
12. ホイッパーですり混ぜます。
13. 焦がしバターが生地に混ざれば出来上がりです。
14. 冷蔵庫で冷やしておいた型を天板に並べます。型の9分目まで生地を流します。220°Cに予熱しておいたオーブン(2段の場合は上段)で12〜15分焼きます。
15. 全体にしっかりとした焼き色がつけば、焼き上がりです。
16. 焼きあがったらすぐに型から外します。型を逆さまにし、軽く振ってフィナンシェを取り出します。厚手の軍手があると便利です。
◇ しっかりと焼けていると、型から綺麗に剥がれます。焼きが甘いと、型についてしまうので、焼き加減に注意します。
17. 網の上で冷まします。
ぜひ焼きたてを食べて見てください。表面はサクッと中はもっちり、作りたてでしか味わえない美味しさです。
<保存について>
密閉容器や保存袋に入れて、常温で約1週間ほど美味しくいただけます。
Q & A
Q. フィナンシェ型を持っていません。他の型でも作れますか?
A. はい、作れます。マドレーヌ型やオバール型、マフィン型などでも代用できます。フィナンシェ型と同じくらいの容積の型であれば同じ温度、焼き時間で作れます。